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原料高響き営業益14%減 クラレの18年12月期

2019年02月14日

ゴムタイムス社


 クラレの2018年12月期連結決算は、売上高は6029億9600万円で前期比16・3%増、営業利益は657億9400万円で同13・8%減、経常利益は611億6700万円で同17・6%減、当期純利益は335億6000万円で同38・4%減となった。2桁の増収となったものの、各セグメントで原燃料価格上昇の影響を受けたことから、営業利益は2桁減となるなど、利益面はいずれも前期を下回った。

 セグメント別では、ビニルアセテートの売上高は2793億7900万円で同4・7%増、営業利益は547億3900万円で同11・2%減となった。

 ポバール樹脂は、販売量が減少したが、高付加価値化が進み堅調に推移した。光学用ポバールフィルムは、需要の順調な伸びにより、販売量が増加した。また、ディスプレイ市場の拡大とパネルサイズ大型化のニーズに対応するため、第1四半期連結会計期間に倉敷事業所で新設備投資(本年末稼動予定)を決定した。水溶性ポバールフィルム及びPVBフィルムは、販売量が増加したが、原燃料価格上昇の影響を受けた。EVOH樹脂(エバール)は、米国工場における定期修理及び昨年5月に発生した火災の影響を受けた。
 
 当連結会計年度よりカルゴンカーボン社の業績を含んでいるイソプレンの売上高は572億700万円で同1・5%増、営業利益は72億7200万円で同19・3%減となった。

 イソプレン関連では、年度を通じて原燃料価格上昇の影響を受け、また、年度後半にかけて出荷が減少し、前年並みの販売量にとどまった。耐熱性ポリアミド樹脂(ジェネスタ)は、自動車用途、コネクタ用途を中心に販売が拡大したが、原燃料価格上昇の影響を受けた。

 機能材料の売上高は、1315億3300万円で同138・3%増、営業利益は43億9600万円で同34・0%減となった。
 メタクリルは、好市況が継続したことに加え高付加価値品の販売が拡大した。メディカルは、歯科材料の審美修復関連製品を中心に順調に推移した。カルゴン・カーボンは、当第4四半期連結会計期間に確定したのれん償却額等の影響を受けた。炭素材料は汎用用途の販売量が減少した。

 繊維の売上高は、647億1600万円で同2・5%減、営業利益は62億7900万円で同16・8%減となった。
 人工皮革(クラリーノ)は、スポーツシューズ向け出荷が減少し、また、生活資材ではクラフレックスで高付加価値品の販売が拡大したが、ビニロンは輸出が減少したことに加え、原燃料価格上昇の影響を受けた。

 トレーディングの売上高は、1388億4800万円で同5・4%増、営業利益は42億1500万円で同7・4%増となった。

 繊維関連事業は、ユニフォームおよびスポーツ衣料用途で堅調に推移し、海外縫製品も販売が拡大した。また、樹脂・化成品関連事業は輸出を中心に順調に推移した。

 その他事業は、売上高は580億2500万円で同12・9%増、営業利益は、は研究開発費等の経費増加により11億7800万円で同61・0%減となった。

 次期の世界経済は、米中貿易戦争の長期化、英国EU離脱問題など欧州政治及び経済の混乱、中東諸国の地政学的リスクの高まりによる原油価格の不安定化など、不透明感の増大が予測されている一方で、世界的に好調を維持している雇用情勢や、消費主導で成長が続く米国経済が牽引し、景気の拡大基調は緩やかながら継続することが見込
まれる。
 こうした状況を踏まえ次期の連結業績予想は、売上高は6300億円で前期比4・5%増、営業利益は790億円で同20・1%増、経常利益は750億円で同22・6%増、当期純利益は470億円で同40・0%減を見込んでいる。

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