アランセオを売却完了 ランクセス、販売は継続

2019年01月11日

ゴムタイムス社

 独ランクセスは1月11日、合成ゴムの合弁会社アランセオの全保有株式50%を2018年12月31日(現地時間)に、サウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコに売却したと発表した。

 売却の完了に伴い、同社が保有するアランセオの全株式は、元合弁会社のパートナーであるサウジアラムコに譲渡され、それによって同社は約14億ユーロを受領。同社はこの売却で得る資金で自社の財務基盤の強化と純有利子負債を削減する予定。事業譲渡は8月に発表され、関係各国の独占禁止法規制当局の承認を得ている。

 なお、日本における合成ゴム事業は、ランクセスがアランセオとの現行の販売委託契約に基づき、引き続き合成ゴムのマーケティングおよび販売活動を継続していく。

 アランセオは、同社とサウジアラムコの合弁会社として2016年4月1日に設立された。本社をオランダ・マーストリヒトに置き、2017年度の売上高は約32億ユーロを達成、従業員数約3800人で9ヵ国に20の製造拠点を有している。主な事業は自動車・タイヤ産業、建設業界、石油・ガス産業などの用途に使用される高性能ゴムの開発・製造およびマーケティング。

 アランセオへの合成ゴム事業の移管は、同社の戦略的な事業再編の基盤となった。その後、同社は特殊化学品市場における成長に注力し、同分野で様々な買収を進めている。

 

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