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2018年下半期 海外進出企業一覧 4年ぶりに10社以上が海外進出

2019年01月21日

ゴムタイムス社

 昨年下半期のゴム関連企業の海外新拠点についての発表は10社13拠点となった。下半期の海外進出企業が10社を超えたのは14年以来4年ぶり。進出先はインドが3拠点で最多となり、このほかアジア、アメリカ、ヨーロッパの各地域にわたった。タイヤメーカーは、既存拠点の拡充は見られたが、新拠点への進出は1社もなかった。
 ◆豊田合成
 豊田合成は7月13日、成長著しいインド市場における事業拡大に向け、同国子会社「豊田合成ミンダ・インディア」(TGMIN)のグルガオン事務所を、デリー近郊のハリヤナ州グルガオンに設立したと発表した。これにより、製品開発の現地化を進める。
 新事務所は18年4月に稼働を開始し、エアバックなどの開発・設計、営業を行う。
 これまでラジャスタン州ニムラナのTGMIN社本社工場にあった技術・営業機能を、主要な取引先であるマルチ・スズキ・インディア社の本社近隣に置くことで、業務のスピードアップを図るとともに、人員や設備の拡充により現地における開発機能を強化する。
 また、豊田合成は11月6日、インドの子会社である豊田合成ミンダインディアのグジャラート工場が10月に稼働を開始したと発表した。同工場は、インド北西部のグジャラート州デカワダに位置し、インドでの自動車生産の拡大と安全規制強化により需要が伸びるエアバッグに加え、ハンドルやウェザストリップなどをスズキ・モーター・グジャラート社に供給する。
 同社はインドを重点市場と位置づけ生産体制の強化を進めており、2025年度までにインド全体での売上高を現在の2倍以上の350億円に拡大することを目指している。
 さらに、豊田合成は12月4日、インドネシアにおける安全規制強化を背景とするエアバッグの大幅な需要拡大などに対応するため、新会社「豊田合成インドネシア」を設立すると発表した。顧客である日系カーメーカーの近隣となる西ジャワ州カラワン県に工場を設立する計画で、2019年2月に着工し、2020年11月からエアバッグなどの自動車部品を供給する予定。

豊田合成インド新工場

 ◆日本ゼオン
 日本ゼオンは7月23日、台湾に高機能材料の現地販売会社「ゼオン台湾社」を設立し、7月16日に営業開始したと発表した。半導体、ディスプレイ顧客向けに、エッチングガス、絶縁材料、レジスト、薬液を中心とする電子材料の販売強化を目指す。
 台湾は、主要電子部品の重要な市場となっていて、同社の電子材料はこれまでも台湾で展開してきたが、より一層の顧客密着を目指し正式に現地販売会社を発足させた。
 また、日本ゼオンは8月29日、アクリルゴムの製造および販売事業を展開する子会社「ゼオン・ケミカルズ・アジア」(仮称)をタイに設立すると発表した。
 タイ・ラヨーン県に18
年10月中旬に設立予定で、資本金は12億5000万タイバーツ(約41億6000万円)としている。
 アクリルゴムは耐熱性、耐油性に優れた特殊ゴムの一つで、その特性を生かし、内燃機関搭載車のシールやガスケット、ホースなどの素材として使用される。
 パワートレインの電動化が進む一方、世界の内燃機関搭載車の伸びとターボ搭載車比率の高まりによって、アジア地域を中心にアクリルゴムの需要増が見込まれる。アクリルゴムの需要増を着実に取り込むことによって、合成ゴム事業の強化を目指す。
 ◆三井化学
 三井化学は8月9日、三井化学SKCポリウレタン(MCNS)がインドに設立したシステムハウス拠点であるMCNSポリウレタンインド(MCNS―IN)が、7月から新工場の営業運転を開始し、8月8日に竣工式を行ったと発表した。
 新工場は、インドのアンドラ・プラデシュ州に位置し、ポリウレタンシステム製品を年間1万5000t生産する能力を持つ。
 インドは年7%以上の経済成長が見込まれており、年間ベースで自動車400万台、冷蔵庫900万台が生産されていて、ポリウレタンシステム製品の需要も拡大している。
 特にインド南部は、日系・韓国系の自動車メーカーや家電メーカーも数多く進出しており、MCNSでは インドのシステムハウスを拠点に高品質のポリウレタンシステム製品を安定的に供給し、事業拡大を進めることにしている。

三井化学インド新工場

 ◆カネカ
 カネカは8月8日、同社米州グループ会社であるカネカエアロスペースに、航空機などの部材に使用する高機能複合材であるプリプレグの製造設備を新設すると発表した。
 同設備の新設により航空機・宇宙分野向け部材のバリューチェーンの中で配合樹脂からプリプレグまでの一貫した生産体制を構築することになる。
今後拡大が見込まれる炭素繊維強化プラスチックに向けて難燃性、耐熱性など品質差別化力あるベンゾオキサジン樹脂を用いた高機能複合材を供給し、事業拡大を進める。
 同社は2017年に米国樹脂配合メーカーであるアプライドポレラミックを買収、2018年1月には米ヘンケルの高機能複合材事業を買収し、航空機・宇宙分野へ参入した。2025年には航空機・宇宙分野の高機能複合材領域において売上高200億円を目指す。
 ◆西川ゴム工業
 西川ゴム工業は8月24日、中国における子会社設立を決定したと発表した。同国湖北省・武漢市郊外に今年12月に設立を予定する。中国における自動車市場の拡大に伴い、主要な顧客のニーズに応えるため、現地生産基盤を増強する必要があると判断した。
 同子会社は、自動車用ゴム・樹脂製品の製造加工および販売を事業とし、資本金900万USドル(予定)、同社100%出資で、2020年度以降、年間売上高1億7000万元(約30億円)を目指す。従業員数約240人を予定している。
 ◆長瀬産業
 長瀬産業は8月28日、子会社であるナガセアメリカが、スペシャリティケミカルや特殊樹脂などの開発に強みを持つインターフェイシャル・コンサルタンツとの間で、合弁会社インフィニット・マテリアル・ソリューションズを設立したと発表した。
 合弁会社は、本社を米国ウィスコンシン州に置き、産業用途に飛躍的な成長が見込まれる3Dプリンター向け特殊材料の開発・製造を行う。3Dプリンターの主流の一つであるFDM方式の3D印刷に向けた水溶性サポート材フィラメントの製品化を既に進めている。
 超エンプラを原料とする3D印刷は、自動車や航空宇宙産業、医療機器向けの需要増により市場規模が今後5年で約10倍になると見込まれている。
 ◆三菱ケミカル
 三菱ケミカルは9月12日、中国・四川省の成都市に、機能性樹脂製品の新たな製造拠点を設置すると発表した。新たに現地法人を設立し、自動車内装表皮などに適したスラッシュ成形用PVCコンパウンドの生産を2019年春に開始する予定。
 中国における自動車向け機能性樹脂市場は堅調に拡大し、中でも意匠性や質感に優れるPVCコンパウンドは、自動車内装向けに今後高い需要の伸びが期待されており、同社は、近年自動車向け部材などの製造拠点の集積が進む中国中西部の成都に新たな機能性樹脂製造拠点を設けることにより、旺盛な需要の取り込みを狙うことにしている。

三菱ケミの中国調印式

 ◆JSR
 JSRは9月12日、子会社のJSRトレーディングがベトナム・ハノイに現地法人「JSRトレーディング・ベトナム」を設立し営業を開始したと発表した。
 経済成長著しいベトナムでは、今後、自動車関連企業の進出による石油化学関連の産業発展が期待されており、同社では従来から金属容器事業の販売・調達先としてビジネスの基盤作りに努めてきた。
 現地法人設立により、自動車部品市場の興隆を見据えた販売強化と金属容器事業を中心とした現地ビジネスの一層の強化を図る。
 ◆日精樹脂工業
 日精樹脂工業は11月30日、欧州市場における販路の拡大とサービス体制の拡充のため、スロバキアに販売現地法人「ニッセイ・ヨーロッパ」を設立し、19年1月より営業を開始すると発表した。
 スロバキアをはじめチェコ、ハンガリーなどの東欧地域では、自動車関連産業を中心に多くの日系・欧米系企業が工場進出を展開しており、同社はグローバル戦略の一環として設備機械の需要拡大に対応すべくスロバキアの首都・ブラチスラバ近郊に100%出資の子会社の設立を決定した。ブラチスラバは東欧地域の中心に位置し、周辺国にも自動車での移動が可能となる。
 ◆東京材料
 日本ゼオンは12月26日、グループ企業で各種化学商品などの仕入販売を行う東京材料が、チェコに現地法人を設立したと発表した。
 設立されたのは「トーキョー・ザイリョー・チェコ」で、プラハ市に本社を置き、2019年1月に営業を開始する予定。
 国内外で培ったネットワークを活かした豊富な情報提供などユーザーサポート体制を確立し、現地の日系自動車部品メーカー、樹脂加工メーカーに対し、樹脂・エラストマーなど成形材料を中心に仕入販売を行う。

東京材料のチェコ現法

 

 

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