【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情31 カナダのゴム産業(後編) 加藤進一

2018年11月15日

ゴムタイムス社

 前回に引き続き、カナダのゴム事情をお伝えします。

 カナダの自動車生産台数が2016年には年間235万台で、およそトヨタが60万台、GMが50万台、FCAが50万台、ホンダが40万台です(JETRO資料)。米国の自動車生産量では、1120万台(2017年)となっており、経済規模を考えると、カナダの自動車生産の半分ぐらいが米国に輸出されていることになります。トヨタもホンダもカナダから米国に自動車を輸出しています。

 日系では豊田合成がカナダでWatervilleTGという大きな工場を運営してウェザーストリップを生産しています。昔訪問したことがありますが、フランス語圏のきれいな小さな村にこの工場があります。秋に訪問したので紅葉が大変きれいでした。この工場はかつてSponge Rubber Products社として、1952年にカナダの会社として設立されました。そこでは、ウェザーストリップを生産していましたが、その後BF Goodrichに買収され、さらに1988年豊田合成が買収しました。カナダのゴム会社に働く人にとって、古くからウェザーストリップを生産している会社との認識があります。練り機も何台もあります。

 カナダのゴム原材料としては、ARLANXEOのカナダSarnia工場が昔からブチルゴムを生産しています。現在年間15万トンの

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