電化と三菱マテリアル 共同事業化で合意

2011年05月09日

ゴムタイムス社

電気化学工業㈱は三菱マテリアル㈱が技術確立したカーボンナノファイバー(CNF)を含むリチウムイオン2次電池用導電材料等の研究開発および販売について、共同で事業化を進めていくことで合意したと発表した。三菱マテリアルは一酸化炭素ガスを主原料としたCNF合成に関する技術開発に成功し、市場性の検討を続けてきた。CNFの特徴として、従来の炭化水素系CNFに比べてタール等の不純物が少なく、低温での合成が可能であるといった特徴があり、品質面およびコスト面で優位であることが確認されていた。
一方、電気化学はカーバイド生産時に副生するCOガスを豊富に含み、安価に安定供給できる電炉ガスを有し、また、その利用方法について多くの知見を有しており、両社で量産化に向けコスト競争力のあるCNF製造について検討を進めることとした。
当面はパイロットプラントを利用した市場開拓を行う。三菱マテリアルは電極材料をはじめとした2次電池部材などへのCNF応用技術を保有しており、また電気化学は従来より2次電池分野において高純度導電性素材であるアセチレンブラック事業を展開していることから、CNFとの複合化製品の開発等による相乗効果も期待される。
今後は、電気化学の青海工場にCNFのパイロットプラントを設置し、両社は二次加工品や複合化製品に関する研究および2次電池やキャパシタを中心とする市場開拓を進め、更には導電性製品としての適用分野を拡大していく。

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