デンカの4~6月期 売上、経常益など過去最高 販売価格改定などが寄与

2018年08月07日

ゴムタイムス社

 デンカの2019年3月期第1四半期連結決算は、売上高が939億6900万円で前年同期比3・7%増、営業利益は69億3100万円で同7・8%増、経常利益は80億800万円で同8・4%増、四半期純利益は62億2800万円で同3・1%増となった。

 売上高については、原材料価格の上昇に応じた販売価格の改定や、電子・先端プロダクツ製品を中心に販売数量の増加が寄与し、第1四半期では過去最高となった。
 収益面では、ヘルスケア分野などで将来に向けた先行投資による費用負担が増加したものの、交易条件の改善が寄与した。以上により、経常利益と四半期純利益はそれぞれ第1四半期で過去最高益を更新した。

 エラストマー・機能樹脂部門の売上高は425億5000万円で同4・6%増となった。
 クロロプレンゴムは米国の子会社デンカパフォーマンスエラストマーが寒波の影響により減産となるなど販売数量は減少したが、販売価格の改定により増収。また、ABS樹脂やデンカシンガポール社のポリスチレン樹脂、MS樹脂の販売も好調に推移した。

 インフラ・ソーシャルソリューション部門の売上高は121億6100万円で同1・6%減。農業・土木用途向けのコルゲート管や耐火物・鉄鋼用材料は販売数量が増加し増収となり、セメントや特殊混和材の販売も堅調に推移したが、肥料の販売は前年を下回った。

 電子・先端プロダクツ部門の売上高は155億6100万円で同5・6%増。
 電子回路基板、高信頼性放熱プレート(アルシンク)および高純度導電性カーボンブラックは販売数量が増加し増収。電子部品・半導体搬送用部材の機能フィルムや半導体封止材向け球状溶融シリカフィラー、球状アルミナの販売も好調に推移した。一方、LED用サイアロン蛍光体(アロンブライト)の販売は前年を下回った。

 生活・環境プロダクツ部門の売上高は97億2000万円で同5・3%減。製品では、工業用テープの販売数量が増加し増収となり、食品包材用シートやデンカポリマーの加工品の販売も堅調に推移。また、合繊かつら用原糸(トヨカロン)の販売は概ね前年同期並みだったが、耐候性フッ素系アロイフィルム(DXフィルム)は前年を下回った。

 ライフイノベーション部門の売上高は47億7600万円で同3・2%増となった。デンカ生研の試薬の販売は国内、輸出とも前年を上回った。

 その他部門の売上高は91億9800万円で同15・7%増となっている。

 通期の業績見通しについては、当初発表から変更はなく、売上高は4100億円で前期比3・6%増、営業利益は360億円で同7・0%増、経常利益は340億円で同7・9%増、当期純利益は250億円で同8・5%増を見込んでいる。

 

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