景況アンケート 2018年夏業績予想 「内需」で明暗

2018年07月25日

ゴムタイムス社

 本紙は5月時点で製造メーカー・原材料メーカー・ゴム製品卸商社に「2018年の景気見通しと業績予想」と題するアンケート調査を実施した。

 その結果、今年の業績見通しについて、売上高は「増収」と回答した企業が45%、「横ばい」が48%、「減収」が7%となった。

 昨年は「増収」と回答した企業が57%、「横ばい」が38%で、「減収」が5%だったことから、今年は昨年に比べ、業界全体として明るい見通しが薄れていることがわかった。

 日本銀行が7月2日に発表した短観(6月調査)によれば、大企業製造業の業況判断DIはプラス21となり、前回の3月調査に比べ3ポイント低下し、一方、大企業非製造業は6月調査ではプラス24となり、3月調査に比べて1ポイント改善した。

 業種別では、自動車が7ポイント低下、鉄鋼が1ポイント低下、電気機械が4ポイント低下した一方、建設は1ポイント改善、紙・パルプは4ポイント改善、汎用機械は前年並みとなり、ゴム企業の需要先は業種によって景況感に幅が見られた。

 アンケート調査結果も、こうした多様な景況感を反映して、好不調が入り混じる様相を呈している。

 ◆業績予想

 「内需」で明暗 増収・減収両要因でトップに

 今年の業績予想に関するアンケートでは「増収」企業が45%、「売上高横ばい」が48%、「減収」企業が7%となった。

 昨年との比較では、「増収」企業が12ポイント減少、「横ばい」企業は10ポイント増加、減収企業は2ポイント増加した。

 売上高の増減要因については、増収では「内需の回復」が33%で最も多く、次いで「新規事業・製品が貢献」が25%、「販売体制・戦略の強化」が19%、「価格改定」が17%となった。このうち、価格改定は前年の8%から11ポイント増加した。原料高や物流費などの上昇を背景に、価格改定を実施するゴム企業が相次いだが、それを反映したものと思われる。

 

 

 一方、減収要因としては「内需の不振」と「市場での競争激化」がともに27%で最も多く、「その他」が18%で続いた。

 

 

 昨年同様、「内需」が増収要因でも減収要因でもトップとなり、内需の動向が企業の業績に大きな影響を与える傾向が続いている結果となった。

 なお、内閣府が発表した1~3月期の実質GDP成長率は、前期比0・2%減と9四半期ぶりにマイナス成長となった。これには内需の寄与度が同0・2%減と5四半期ぶりにマイナスになったことが影響しており、アンケート結果もこうした傾向を表すものとなった。

 昨年同様、「市場での競争激化」が減収要因のトップに並び、汎用品や低価格品などで新興国企業からの輸入品との競争が激しい状況が続いているものと見られる。

 経常利益については、「増益」が16%、「減益」が15%、「横ばい」が69%となった。

 「増益」企業は昨年の50%から34ポイントと大きく減少しており、売上高以上に見通しに陰りが見られた。

 今年期待される需要業界(複数回答可)については、「自動車」が20%でトップ、次いで「半導体」16%、「土木建築」15%、「電気・電子」12%の順となった。

 4年前は「土木建築」がトップだったが、3年前から4年続けて「自動車」が期待される需要業界のトップとなっている。

 ただ、「自動車」については、

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