東海カーボン 韓国東海カーボンを連結子会社化 半導体分野を拡大へ

2018年05月15日

ゴムタイムス社

 東海カーボンは5月14日、同日開催の取締役会において、同社の持分法適用関連会社であるTokai Carbon Korea社(TCK)の株式を、同社に次ぐ第2位の株主であるKC社より、105万750株(発行済株式総数の9%)取得することを決議したと発表した。

 取得価額は78億円(1ウォン=0・101円換算)で、5月下旬に取得を完了する見通し。株式取得後の同社の持分比率は44・4%だが、監査法人と協議の上、実質基準にて連結子会社となる見込み。

 同社は、2016年2月に公表した3ヵ年中期経営計画「T―2018」のフェーズ1において構造改革に取り組んだ結果、事業再構築をほぼ計画通り成し遂げ、17年2月に新たに公表したフェーズ2に則り、成長戦略に軸足を移した取り組みを進めてきた。17年11月には、M&Aなどに向け設定した約500億円の戦略投資枠を活用し、SGLの黒鉛電極事業子会社を買収したが、今回はそれに続く戦略投資の一環となる。

 同社の主要事業の一つであるファインカーボン事業においては、顧客需要の伸び悩み、中国メーカーの台頭など厳しい事業環境において、中期経営計画「T―2018」フェーズ1に則り、等方性黒鉛材の生産能力の削減、不採算品目の撤退などをはじめとする製品ラインアップの絞り込み、サプライチェーンの見直しなど事業の再構築に取り組んできた。こうした施策を通じて生産性、収益性が改善し、更に顧客需要が回復する市場環境の変化にも恵まれ、17年度には黒字化を実現したが、黒鉛電極、カーボンブラックに次ぐ基盤事業の一つとして、更なる収益基盤の強化、事業価値の向上が重要な課題となっている。

 一方、TCK社は1996年に同社とKC社を含む3社の合弁会社として設立され、以降、同社は製造技術や原材料の提供を中心にTCK社の経営に参画してきた。現在では加工技術や高純度化技術などの高い技術力を背景に、ラムリサーチ、アプライド マテリアルズ、サムスン、東京エレクトロンなどの大手半導体製造装置メーカー、大手半導体メーカーなどの確固たる顧客基盤を有し、主要製品である半導体製造に使用するエッチング装置向けのソリッドSiCフォーカスリングの分野においては高い市場シェアを誇るニッチトップ企業に成長した。

 今回の株式取得について同社は、高い成長が見込める半導体分野の事業基盤を拡大するとともに、中期経営計画「T―2018」において推進してきた構造改革に続く、持続的な成長に向けた布石としてのファインカーボン事業の競争力強化と、同社全体の事業基盤強化に資するものだとしている。

 18年12月期連結業績に与える影響については、今後精査を行い、業績予想の修正など開示すべき事項が発生した場合は速やかに開示することにしている。

 TCK社は韓国の安城市に本社を置き、代表者はPark Yeong Soon プレジデント/CEO、資本金は58億3800万ウォン(5億9000万円)。事業内容は炭素黒鉛製品とCVD―SiCコーティング製品の製造販売。主な株主は同社(35・4%)とKC社(28・3%)。17年12月期の売上高は1303億1000万ウォン(131億6100万円)、営業利益は477億3000万ウォン(48億2100万円)、当期純利益は373億ウォン(37億6700万円)。

 同社はTCK社の発行済株式総数の35・4%に相当する413万2500株を保有し、同社の役員と社員3人が役員に就任している。TCK社は同社製品を販売し、製造技術に関するライセンス契約を締結している。

 KC社は韓国の安城市に本社を置き、代表者はKo Suk―Tai CEO/チェアマンとLee Jung―Ho CEO、資本金は67億7700万ウォン(6億8400万円)。設立は1987年で、事業内容は半導体製造装置の製造・販売・研究開発。主な株主はKo Suk―Tai氏(33・7%)。

 同社はKC社の発行済株式総数の0・8%に相当する10万4525株を保有している。また、KC社は同社の発行済株式総数の0・1%に相当する27万3900株を保有している。

 

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