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「Medtec Japan2018」開催 ゴム企業が注力製品を紹介

2018年04月20日

ゴムタイムス社

 医療機器の設計・製造に関するアジア最大の展示会「Medtec・Japan2018」が4月18~20日、東京・有明のビッグサイトで開催され、ゴム関連企業も多数出展した。

 ◆JSR
 同社が代理店となり今年から日本での事業を本格スタートした米の3Dプリンター製造会社、カーボン社の製品を展示した。カーボン社は、アメリカでは医療用の製品開発を医療機関と共同で行った実績があり、独自の技術を日本の医療分野に応用出来ないかと今回の出展に至った。
 カーボン社の3Dプリンティング技術は、アディダスのスニーカーにも採用されており、こうした技術の医療向けの応用を目指す。

 ◆コベストロジャパン
 今回で4回目の出展となる同社は、医療向け製品の主力となるTPUフィルム「プラチロン」とウレタンフォーム「バイメディックス」シリーズを中心に展示した。
 今回は特に、需要増が見込まれるウェアラブル製品に着目し、センサー基盤等を埋め込み皮膚に貼ることができる小さな電子デバイス「ウェアラブルパッチ」を提案した。
 電極を埋め込みTPUフィルムとウレタンフォームを一体化させたパッチや、電導性の素材をエッチングして手首に巻けるTPUフィルムなどの製造例が来場者の目を引いた。

 ◆ダイセル・エボニック
 インプラント用PEEK樹脂「ベスタキープ」やPA12樹脂「ベスタミド Care」など、実用化が進む製品を紹介した。
 PEEK樹脂製品では、開発中の注射針を初めて公開し、痛みが少ない設計と廃棄しやすい特徴から、インシュリン注射などへの応用を提案した。
 PA12樹脂や透明PA樹脂などのナイロン樹脂製品は、生体適合性が高いことで医療現場で定着しつつあり、カテーテル用にさらに利用が広がるよう同社は期待している。

 ◆東レ・ダウコウニーング
 東レ・ダウコーニングは今年発売した、医療機器用シリコーンチューブとソフトスキン粘着剤の2製品を主に紹介した。
 初めて医療機器用に販売を始めたシリコーンチューブは、医薬品製造用のチューブの製造技術を応用したもので、透明性が高く、柔らかい上、絡みにくいのが特徴だ。新製品のソフトスキン粘着剤「MG7ー1010」は、従来の4倍以上の強い粘着力があり、創傷を優しく早く小さく治す目的で使われる。皮膚に貼り付けるタイプのウェアラブル製品への応用も期待される。

 ◆浪華ゴム工業/ニッタ
 浪華ゴム工業とニッタは共同でブースを出展した。浪華ゴム工業のブースでは、医療用ゴム栓としてバイアルゴム栓、凍結乾燥用ゴム栓、検体用ゴム栓と血液回路、クリーンなPVCチューブなどを展示。一方、初出展のニッタは、「Linemate™(ラインメイト)LB70‐02ホース」や多層チューブなどを出品した。昨年、浪華ゴム工業を子会社化したニッタでは、医療市場で実績を持つ同社の知名度を生かし、ホース・チューブ製品を医療業界にも販路を広げていく方針だ。

 ◆藤倉ゴム工業
 藤倉ゴム工業は荷重センサ(試作モデル)を始め、開発中の液体用比例弁(VF‐F)、液体用減圧弁RFシリーズなどを展示した。荷重センサは軽量かつ薄型、広範囲な荷重領域の測定が可能、ヒステリシスがほとんど発生しないため、薄い、高精度、広範囲な測定領域が特徴のセンサである。液体用比例弁VF‐Fは電流により容易に小流量の流量コントロールが可能、流量は電流値により無段階に変化、PWM制御が可能といった点が特徴。ブースでは、ゴムで培ってきた基礎技術を応用し、金属や樹脂など様々な素材を複合化できることを訴求していた。

 ◆NOK/日本メクトロン
 NOKは子会社の日本メクトロンと各種高機能ゴム製品やFPC(フレキシブル基板)の用途例などを紹介した。NOKはヘルールガスケット「LAFシリーズ」や開発品の「マイクロ流体デバイス用シールの提案」などを紹介。FKM材で耐水蒸気性、低着香性、高寿命化を実現したLAFシリーズは、主に食品・飲料機械用に活用されてきたが、今後は医療用での展開も目指しているとのこと。
 日本メクトロンが注力するFCPについては、用途例の一つとして生体センサシートを展示した。

 ◆ニシヤマ
 今回が初めての出展となる同社は、医療機器分野への今後の参入に向け新たなニーズを探る目的でブースを開いた。
 ゴム・樹脂、金属、ユニット、モバイル関連技術等、同社が扱っている製品などを幅広く揃えた。
 同社が今年から代理店として販売を開始したドイツのABS樹脂製のウェアラブル椅子「チェアレス・チェアー」がブースの中央に置かれ、来場者の関心を誘った。こうした製品の医療分野への応用が可能かどうか注目しているとのことだ。

 ◆フコク物産
 フコク物産はPDMS流路の量産化技術などを中心に紹介した。PDMSは石英ガラスに匹敵する透明度を持ち、自家蛍光性が低いため、蛍光反応を利用して分析する用途の基板として有用である。また、材料が液状で粘度が低いため、金型への転写性が良く、鏡面出しやサブミクロン~ミクロンオーダーの微細加工対応が可能。PDMSの量産技術では微細加工された金型を用い、インジェクション成形することで、高精度と多様な形状のバリエーションを付与。数万~数百万個の生産・供給も可能にした。

 ◆司ゴム電材
 初出展の司ゴム電材は、グループ会社のTMCが2014年に特許を取得した「OPM」工法を提案した。OPM工法は、金型を起こさずに、量産の成形材料と同じ材料を高精度切削加工し、納期・コストとも通常の約半分で製作する工法である。これまでは自動車業界を中心に採用が進んでいたが、最近は医療業界でも徐々に広がっている。高機能樹脂部品の開発期間短縮と開発費削減につながることから、小ロット試験販売や量産立ち上げがスムーズになる点をPRしていた。

 ◆不二ラテックス
 今回初めて出展した同社は、得意とする合成ゴムを用いたメディカル製品に今後もさらに注力する姿勢をアピールした。
 天然ゴムアレルギーに対応した感染防止用IRプローブカバーなどの医療機関向けの製品のほか、医療用チューブ、バルーン、シート等のサプライヤー向けの製品を展示した。
 この秋に稼働が始まる栃木市の新工場の写真パネルも掲示し、多様化する需要に対応しながら医療用製品を中心に製造していくことを説明した。

 ◆日進ゴム
 日進ゴムはラテックスフリー対応耐滑素材「熱可塑性エラストマー」や「HyperV(ハイパーVシート」を紹介した。ラテックスフリー材料では、介護・医療分野での用途例として、静脈血を採取する際、採決部上方に巻きつける駆血帯チューブやクッション素材を展示した。駆血帯チューブは、これまで天然ゴム製が多かった。ただ、天然ゴムに触れるとアレルギー症状を起こす人もいるが、ラテックスフリーはその心配がない。ブースでは、これら素材やシートを訴求することで、介護・医療分野で新たなニーズを探っていた。

 ◆ニチアス
 例年、多様な医療用チューブ等を紹介している同社は、今年は「極細・極薄・極小」をキーワードに、需要が高まるフッ素樹脂製品を中心に出展した。カテーテル向けのPTFEチューブでは、従来より細い内径0・2ミリの極細チューブや、これまでより薄い厚さ0・05ミリの薄肉チューブを紹介した。また、開発中の薄さ15ミクロンのPTFE薄肉テープも披露した。より細い、より薄い製品を求める医療現場からの声に応える展示となった。

 

 

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