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【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情24 シンガポールのゴム産業(前編) 加藤進一

2018年05月17日

ゴムタイムス社

世界のゴム事情

 3月にシンガポールに3日間行ってきました。加藤事務所が輸入代理店をしているフランスのMLPC社という加硫促進剤、マスターバッチメーカーのアジアミーティングが2日間あり、MLPC社本社社長以下とアジア中の代理店が集まり販売会議をやりました。

 1日目には私が日本のマーケットについてプレゼンをし、2日目はテーマ別のグループディスカッションと発表というお決まりのコースです。

 シンガポールには年に3~4回行きますが、いつも街中の緑に癒されます。マレーシアも同じ雰囲気がしますが、シンガポールは町中がきれいです。そこで「ゴム産業がシンガポールにあったのか?」や「シンガポールにゴム工場がありましたか?」などと疑問を感じると思いますが、ゴムやタイヤ原材料からみると、シンガポールは大事な基地になっています。

 まずは天然ゴムです。天然ゴムの産地はタイ、インドネシア、ベトナム、マレーシアであり、シンガポールではほとんど生産されていません。しかし、アジアの天然ゴムの価格を決める市場はシンガポールのSICOM商品取引所(現在はSingapore Exchange)です。毎日相場がたち、刻々と価格が決まり、成約されていきます。日本のタイヤメーカーも東京商品取引所価格ではなく、シンガポール取引所の価格で値決めしています。そのため天然ゴム情報も、シンガポールの天然ゴム商社に集まります。

 そのことから日本のタイヤ会社4社中、3社はシンガポールに天然ゴムの購買部門を置いております。またその事務所から世界中の天然ゴム工場や農園に、品質監査のための技術者を派遣しています。天然ゴムの品質監査とは、いわば製造中の異物混入との闘いです。

 「天産品」の天然ゴムを自動車部品でもある「工業製品」のタイヤ原料に、いかに変えるかがキーポイントです。

 またシンガポールは、「どこで長雨が続いているか」や「どの会社の船積みが遅れているか」という天然ゴム情報がシンガポールの関係者の間にあっという間に駆け巡るという場所です。

 当社もベトナム合弁会社で天然ゴムを製造販売していますので、シンガポールの

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加藤進一著
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