ファインケミカル特集 有機ゴム薬品好調 拡販へ海外市場に注力

2018年03月08日

ゴムタイムス社

 ファインケミカルとは、大量生産品ではなく、多品種・少量生産で、機能性・付加価値が高い化学工業製品のこと。医薬品や農薬、合成染料、香料、界面活性剤など多様な用途があるが、特にゴム関連企業と関係が深いのはゴム薬品である。

 経済産業省がまとめた12月の有機ゴム薬品の出荷量は1451tで前年同月比9・2%増となり、17ヵ月連続で増加となった。年間では1万7557tで前年比7・2%増となっている。

 昨年はゴム製品出荷が前年比2・1%増となり、特に工業用ゴム製品の出荷が12月まで17ヵ月連続で前年実績を上回ったことに示されるように、ゴム製品の需要が比較的好調だったことで、有機ゴム薬品の出荷も高い伸びになったと見られる。

 ただ、ファインケミカルメーカーが今後注力していくのは、国内市場もさることながら、やはり海外市場である。

 上海に現地法人を持つ川口化学工業は、同法人からの中国市場と東南アジア市場向けの販売が好調なことから、人員を増やす計画を立てており、昨年4月には従来より広い事務所に移転した。

 協和化学工業も中国市場向けが好調で、塩ビの安定剤として使われる合成ハイドロタイルサイトの中国工場の生産が需要に追い付かないことから、設備の増強を計画している。

 一方、神島化学工業は海外出張期間を従来の1週間程度から1~2ヵ月程度に伸ばしてユーザー直接訪問を増やし、メーカーダイレクトマーケティング体制を強化することで、海外でのより一層の拡販を図っていく方針だ。

17年の有機ゴム薬品推移

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