デンカ決算 4~12月期 営業益は3割増 

2018年02月07日

ゴムタイムス社

 デンカの2018年3月期第3四半期連結決算は、売上高は2931億3000万円で前年同期比9・9%増、営業利益は251億4200万円で同34・0%増、経常利益は256億2100万円で同46・5%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は189億4700万円で同39・8%増となり、それぞれ第3四半期連結累計では過去最高益となった。

 売上高については、クロロプレンゴムや電子・先端プロダクツ製品を中心に販売数量が増加したほか、原材料価格の上昇に応じた販売価格の改定により増収となった。収益面では、ヘルスケア分野などで将来に向けた先行投資による費用負担が増加したが、販売数量の増加や交易条件の改善が収益拡大に寄与し増益となった。

 エラストマー・機能樹脂部門の売上高は1311億3200万円で同21・1増となった。

 クロロプレンゴムは販売数量増や採算是正を目的とした販売価格改定により増収となった。スチレンモノマーやABS樹脂、デンカシンガポール社のポリスチレン樹脂等の販売も堅調に推移した。

 インフラ・ソーシャルソリューション部門の売上高は399億7900万円で同3・7%増。農業土木用コルゲート管やセメント、耐火物・鉄鋼用材料は販売数量が増加し増収となり、肥料の販売は堅調に推移したが、特殊混和材の販売は前年を下回った。

 電子・先端プロダクツ部門の売上高は402億2200万円で同18・8%増となった。

 電子部品・半導体搬送用部材の機能フィルムや半導体封止材向け球状溶融シリカフィラー、球状アルミナは旺盛な需要により出荷増となり、LED用サイアロン蛍光体「アロンブライト」や電子回路基板は販売数量が増加し増収となった。 生活・環境プロダクツ部門の売上高は309億6400万円で同0・6%減となった。

 プラスチック雨どいや工業用テープは販売数量が増加し、食品包材用シートやデンカポリマーの加工品も堅調に推移したが、合繊かつら用原糸「トヨカロン」の販売は前年を下回った。

 ライフイノベーション部門の売上高は248億7400万円で同7・5%の減収。デンカ生研の試薬は販売数量が増加し増収となったが、インフルエンザワクチンの出荷は前年を下回った。

 その他部門の売上高は259億5800万円で同7・4%減収。

 通期の連結業績予想に関しては、売上高、経常利益、当期純利益は据え置いた。ただ、クロロプレンゴム、電子・先端プロダクツ製品の出荷好調が続く見通しに加え、エラストマー・機能樹脂製品の採算改善が進んでいることから、営業利益については前回予想から上方修正した。

 これにより売上高は4000億円(前回予想比同一)、営業利益は330億円で同27・7%増(前回予想比23・8%増)、経常利益は310億円(前回予想比同一)、当期純利益は220億円(前回予想比同一)を見込んでいる。

 

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