18年の合成ゴム業界

2018年01月11日

ゴムタイムス社

 17年の合成ゴム市場はブタジエンを始めとする原料価格の上昇に伴う製品価格上昇を反映し、各社ともに収益改善が図られた。
 合成ゴムやABS樹脂の主原料であるブタジエンのアジア市況が17年2月に3008ドル/tと前年9月の倍の水準まで上昇したのを受け、合成ゴム各社が春先に製品価格の値上げを打ち出した。一方、合成ゴム工業会がまとめた17年10月の合成ゴム生産量は、3ヵ月連続で増加し、1~10月累計では132万7313tで前年同期比3・8%増となっている。
 主力の自動車タイヤ生産が回復したほか、自動車用ゴム部品はじめベルト、ホース、工業用品の需要が堅調推移し、汎用、特殊ゴムともに下期以降の伸びが顕著となっている。
 2018年の事業環境は、米国や中国の経済成長が継続し、欧州も底堅く、オリンピックを控えた日本国内も含めて、好調に推移するものと期待されている。合成ゴム需要はブタジエンの価格に翻弄されるものの、事業環境は圧倒的に良くなっており、本年も堅調な伸びが見込まれている。

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