【新年インタビュー】加藤産商 加藤達男社長

2018年01月12日

ゴムタイムス社

 海外ネットワークの拡充を進めてきた、大手化学品専門商社の加藤産商。「新規事業の開発テーマを探し、取り組んでいく」と語る加藤達男社長に、17年を振り返ってもらいつつ、海外拠点の現況や今後の課題などについて尋ねた。

加藤達男社長

加藤達男社長

◆17年を振り返って。

 前期(17年9月期)は単体で売上高355億4000万円、前期比106・3%で増収となり、経常利益は5億3300万円で横ばいとなった。

 増収要因はブタジエンの高騰の影響があったほか、需要が全体的に増え、とくに自動車部品の需要が伸長したことだ。

 合成ゴムマスターバッチを製造する埼光ゴムでは、黒物のみならず、フッ素ゴムなどの特殊ゴムが4月以降増えた。年間生産量も前年比10%増となった。一方、粉末硫黄を製造する鶴見化学も年間生産量が増加。タイヤ向けの硫黄の出荷が前年比増加した。

 グループ全体の売上高は506億円と同111・9%となり、計画の500億円を達成できた。現地通貨高で円安が前期よりも進み、為替の影響が大きかったと言える。

◆海外拠点の状況は。

 北米は一時期よりも需要に落ち着きが見え始めたが、アジアの動きが活発になってきた。

 タイは自動車減産の影響はさほど受けず、自動車と非自動車関連ともに動きが良かった。インドネシアは設立5年目にしてようやく黒字に転じた。マレーシアでは、製造部門と商社部門を構えているが、製造部門の生産量は落ちず、日系よりもローカルメーカーの受注が多くなってきている。一方、商社部門は現地通貨で売上が2割程度伸びた。開設して日が浅いメキシコとベトナムは、今期で黒字になる見込みだ。

 中国については、16年が厳しい環境下だったが、後半から回復。ゴム練りは供給がタイトなほどフル生産状態が続いている。

◆足元の動向と見通しは。

 前期の好調さが続いており、10月や11月も堅調で、第1四半期は前年同期を上回る勢いだ。18年から合成ゴムやカーボンブラックなどの値

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