年頭所感 ニッタ 新田元庸代表取締役社長

2018年01月12日

ゴムタイムス社

 皆さん、明けましておめでとうございます。いよいよ今日から新しい年のスタートです。皆さん、新たな気持ちで本日を迎えられたことと思います。年頭にあたり、日本および世界のニッタグループの皆さんに、一言ご挨拶を申し上げます。

 昨年の国内を振り返りますと、日本経済は7四半期連続でプラス成長を記録し、好調な企業業績を支えに、日経平均株価も26年ぶりの高値を記録するなど、順調に景気が拡大した年となりました。

 ただ、品質問題が相次いで表面化した年でもありました。同じ「モノづくり」の会社として、そこから何を学ぶべきかが重要だと思っています。どのように素晴らしい仕組みを作っても、製品も作り方も人も変わっていく中で、気が付かない内に空気中の水分を吸ってサビが生まれることも考えられます。常にその仕組みの実効性を確認しながら、今の仕事のやり方がベストだと思わず、改善を加えていって欲しいと思います。

 一方、世界経済は好調なアメリカ市場や堅調な中国経済に支えられ、成長回復基調で推移しました。ただ地政学的リスクが、一層緊張感を増す中で、不安が残る年となりました。

 このような中で、我々は昨年、それぞれが積極的に中計の戦略に取り組みました。お蔭様で、社会トレンドとしてのIT化や通販の増加、また人手不足による自動化などの流れにも支えられ、業績は順調に推移し、上半期は売上高、利益ともに過去最高を記録することができました。ニッタグループ各社、GUA、ニッタハースの皆さんの努力に対して感謝申し上げます。今期残り3か月、中計フェーズ2の目標達成、また通期業績の過去最高を目指して、頑張りましょう。

 昨年は、今まで皆さんと色々と仕込んできたことが形になって現れた年でした。まず、ニッタイノベーション活動を展開する中、事業部から多くの新製品が上市されたこと。また10年来開発を続けたカーボンナノチューブが、バトミントンラケットやゴルフクラブに本格採用になったことなどが挙げられます。それぞれの開発のメンバーはよく頑張ったと思います。

 次に新事業として、昨年5月に浪華ゴム工業より株式の譲渡を受けました。血液循環回路のモジュールなど、医療分野でのこれから事業展開が期待されます。

 また、昨年末には、東洋ゴム工業から化工品部門の事業譲渡を受け、年明けより「ニッタ化工品株式会社」がニッタグループの一員としてスタートを切ることになりました。その事業は高機能分野に於いて、鉄道車両部品から産業資材・建設資材・防水事業へと多岐にわたっています。それらいずれの事業も、ニッタにとって魅力的な新分野への事業展開となります。また、技術プラットフォームも近く、互いにシナジーが期待できます。次の20年、30年のニッタの持続的成長に向けた事業の礎となるよう、しっかりと成長を支えていきたいと思っています。

 また、昨年はニッタは変わらなければならない、という強い気持ちで「新ニッタグループ理念」を制定しました。新理念に込められた思いを、44回に及ぶブランドセミナーの開催や五か国語に訳したブランドブックの配布、社員セッション等を通し、社員一人一人の理
解や、浸透を図ってきました。皆さん方一人一人が変わっていくことで、ニッタグループは大きく変わっていきます。新しい年を迎え、新しい変化の波が起きるのを楽しみにしています。そして今年はニッタブランドの社外の認知と強化に向けて、アウターブランド戦略を展開していきます。楽しみにしていて下さい。

 また今年は、4月より中計V2020の最終フェーズが始まります。3大チャレンジの骨子はそのままで、事業部戦略とコーポレートの機能を連携させ、スピードと実効性のアップを図っていきたいと思います。また、社会に貢献する企業として、ガバナンスの強化や働き方改革、あるいは環境経営などにも積極的に取り組んでいきたいと思います。

 これらの活動を通し、ニッタグループ社員が誇りと責任をもって、働いていて楽しいと思える、そして夢を持つことができる会社にしていきたいと思います。皆様とともにその実現にむけて頑張っていきたいと思いますので、「Going ahead with you」でよろしくお願い
します。

 それでは、最後になりましたが、本年が皆様と皆様のご家族にとって、そしてニッタグループにとって素晴らしい一年になりますことを祈念して、私の年頭の挨拶とさせていただきます。

ニッタ 2018年始業式1 ニッタ 2018年始業式2

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