ゴムタイムス70周年の画像
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年頭所感 横浜ゴム 山石昌孝社長

2018年01月12日

ゴムタイムス社


 ◆2017年の振り返り

 2017年を振り返る前に、まずは、ヨコハマタイヤ・フィリピンにおいて発生した火災につきまして、地域の皆様をはじめ、お客様や関係各方面に多大なるご迷感、ご心配をお掛けしましたこと、改めてお詫び申し上げます。引き続き早期の復旧に向けて、全社一丸となって真摯に取り組んで参ります。

 さて、2017年3月30日に社長の任を仰せつかり、早9ヵ月が過ぎました。2017年は弊社にとって100周年という節目の年となりました。

 2017年の世界経済は、米国では一部に大型ハリケーンの影響があったものの、引き続き良好な個人消費と堅調な企業業績により景気回復が持続したほか、欧州では英国のEU離脱問題がくすぶるものの、総じて緩やかな回復が継続しました。また、中国については政府の引き締めスタンスは続いているものの、経済は底堅く推移しました。国内では、個人消費の回復および輸出の増加など企業活動の持ち直しも続き、景気は緩やかに回復しました。

 こうした経済環境の中、第3四半期までの弊社のタイヤ事業は、新車用タイヤの販売は好調で、特に中国においては、売上高において前年を大きく上回りました。市販用タイヤの販売については、国内で、引き続き高付加価値商品の販売に注力し、販売量、売上高共に前年を上回り、海外でも、東南アジアやロシアを中心に好調に推移しました。MB事業では、海外での市場回復もあり、ホース配管事業、工業資材事業、ハマタイト・電材事業については、売上高は前年同期を上回りましたが、航空部品事業では、民間航空機向けが低調で前年同期を下回りました。ATGのオフハイウェイタイヤは、新車用・市販用共に販売が堅調で想定通りに推移しました。

 100周年を迎えた2017年、GD100の最終年度に実施してきたことをお話しさせて頂きます。

 初めにタイヤ消費財事業についてです。OEについてですが、国内では、海外市場でも人気の車種に数多く装着されました。海外では、中国で近年、自動車の燃費規制の厳格化などから、タイヤへの要求性能が高くなっており、当社の高性能タイヤへのOE需要が増加しました。また、これまで、の多くの欧州ハイパフォーマンスカーの純正装着に加え、2017年は新たに、BMW X3の純正承認を得ることが出来ました。REPスノーにおいては、スタッドからスタッドレス、さらにSUV系のマッド&スノーのタイヤにわたり、トップカテゴリーの商品を展開しました。スタッドレスタイヤ「iceGUARD 6」、スタッドタイヤ「iceGUARD iG65」、乗用車用およびSUV用ウインタータイヤ「BluEarth*WINTER V905」を発売しました。REPサマーでは、プレミアムコンフォートタイヤ「ADVAN dB V552」や、低燃費スタンダードタイヤ「BluEarth―Es」、クロスオーバーSUV・ミニバン用タイヤ「BluEarth RV―02」などを、国内外に投入してまいりました。また、「ADVAN HF Type D」の復活発売や「GEOLANDAR M/T G003」など、趣味性の高いヨコハマならではの商品の投入も実施しました。さらに、最新の軽量化設計技術を採用したライトウエイト低燃費タイヤ「BluEarth―air EF21」を開発しました。レースの世界でも、SUPRE GTのGT 300クラスにおいてADVANレーシングタイヤ装着車が2年連続シリーズチャンピオンとなりました。

 こうしたことと合わせたプロモーション活動として、当社は、2015年より、英国プレミアリーグのチェルシーFCと5年間のスポンサー契約を結んでいます。2017年は、欧州諸国、アジア諸国で、販売本数増加といった効果があらわれています。さらに、ATGのブランド「アライアンス」を活用し、乗用車用のセカンドブランドタイヤとして、5月より欧州に投入致しました。「アライアンス」のロゴはYOKOHAMAのロゴとともに、チェルシーFCのユニフォームにも施されるなど、販売拡大に向けた施策も展開中です。

 タイヤ生産財事業については、収益性が高く、安定的成長が見込まれるオフハイウェイタイヤを収益の柱として位置付けています。2017年は新たに、産業車両用タイヤの専門メーカーである愛知タイヤ工業をグループに迎えました。2015年時点では、ORを中心とした当社のオフハイウェイタイヤの売上は、250億円ほどでしたが、ATG、愛知タイヤ工業を加えることによって、850億円まで増加する見込みです。2020年にはこれを1000億円まで伸ばし、世界の市場地位においてトップ企業を目指します。MB事業では、今後も成長分野である海外事業を拡大していきます。特に当社が強みをもつ、自動車用ホースや、海洋商品などに注力していきます。2017年は、北米カーメーカー向け自動車用ホースへの取り組みをさらに推進しました。高圧ホースにおいては、国際規格を積極的に取得するなど、海外市場向けの販売体制を強化しました。さらに、コンベヤベルトにつきましては、東南アジアで大口案件を受注しました。また、旺盛な国内土木・建築事業にも対応しており、株式会社大林組へ、同社の新型堀削機向けホースアセンブリを納入しました。建築分野においては、7月、ウレタン塗膜防水材「アーバンルーフ SF」を発売しました。スポーツ事業については、6月、「RS2017」「RS―F 2017」ドライバーを発売しました。また、「飛び主義」をコンセプトとした金egg、赤eggドライバーのリニューアルモデルを、9月に発売致しました。金・赤eggともに、ドライバー2種とフェアウェイウッド、ユーティリティを揃え、さらに、赤eggについては、アイアンも2種発売しました。

 最後にコーポレート活動についてですが、「地球環境」への対応では1月、国際NPO「CDP」から最高評価を受けました。また、「地域社会」では、当社が2011年から支援している中国・雲南省での生態系保護プロジェクトが、中国政府による政策決定に重要な役割を果たす国情調査の対象に認定されました。「株主・投資家」においては、当社は「FTSE4Good Index」のESG投資指数で、13年連続して構成銘柄に選定されました。また7月、年金積立金管理運用独立法人が運用を開始した3つのESG指数について、2つの指数で、構成銘柄に選定されています。

 ◆2018年の取り組み

 101年目の新たなスタートとなる2018年以降の取り組みについてお話致します。

 まずは、タイヤ消費財事業についてです。当社のこの分野での強みは、一つ目に、オーダーメイドとも言える、新車向けやモータースポーツ用タイヤの開発で培った高い技術力を持っていること。二つ目に、小ロット生産技術に基づいた、様々な商品ラインナップを揃えていること。三つ目に、販売、生産、技術の各分野でグローバルな拠点ネットワークを整備していること。四つ目に、「車のある生活をもっと楽しく」、エモーショナルなカーライフの共有がで、きること、と考えています。これらの強みを活かす事で、性能・品質面で、プレステージカー、プレミアムカーといったOEMから指定されるブランドを確立させます。また、レース、ラリー、スポーツ、SUV、クラシックカーなど、幅広い車種に対応する趣味性の高い商品のラインナップ拡充を図ります。ウインタータイヤの性能においてNo.lを目指し、国内スタッドレスタイヤ、欧州ウインタータイヤ、ロシア・北欧向けのスタッドタイヤをレベルアップさせます。また、モノ消費からコト消費志向の時代において、ヨコハマ・ファンづくりのための、ブランドロイヤリティ向上を図って参ります。
 次にタイヤ生産財事業についてです。当社のこの分野での強みは、一つ自に、生産財商品におけるフルカテゴリー・フルラインナップを取り揃えていること。二つ目に、インドを生産拠点とする高いコスト競争力を持っていること。三つ目に、世界トップレベルのTBRケーシング技術と多様な商品ラインナップを持っていることです。これらの強みを活かし、ATG、愛知タイヤとのシナジーをさらに進め、オフハイウェイタイヤ事業の売上規模を倍増させ、農業機械用、産業車両用タイヤでトップ企業を目指します。また、グローバルなOE納入活動の拡大を図って参ります。さらに世界トップレベルのTBRケーシング技術を活用し、SPIRALOOPを制止した新規需要を創出していこうと考えております。

 最後にMB、ゴルフ製品における戦略です。この分野での弊社の強みは、一つ目に、自動車、建設機械、航空機メーカーからの高い要求に応える技術開発カを持っていること。二つ自に、販売、生産、技術の各分野でのグローバルな拠点ネットワークを整備していること。三つ目は、海洋商品、油圧ホース、ウインドシールドシーラントにおける圧倒的なシェアを誇っていること。四つ目に、ゴルフブランド「PRGR」での独自性の高い、マーケティング戦略を展開していることなどが上げられます。これらの強みを活かし、自動車用ホース配管、ウインドシールドシーラントなど、自動車ビジネスで、のグローバルな成長を図ります。さらに、海洋商品でグローバルシェアNO.1を目指します。また、当社の独自技術を活かし、新規事業の創出を行います。ゴルフ事業においては、サイエンスフィットでのゴルファーニーズをベースとした商品の開発、サービスの提供を行って参ります。これらのことを柱にした、新中期経営計画GD2020の詳細を来年2月に発表する予定です。どうぞご期待下さい。

 当社は10月13日に創立100周年を迎えることができました。100年にわたり、当社の発展を支えてくださったお客様をはじめ、全てのステークホルダーの皆様に改めて感謝申し上げます。横浜ゴムは1917年10月13日、横浜で創立しました。その歴史の中で創立から脈々と受け継がれる技術の研鎖と時代を「先駆ける」商品を次々と世に送り出すことで事業を拡大し、今や社員数2万5000人のグローバル企業に成長しました。当社は100年に渡って受け継がれてきた先進的な商品開発力と世界トップレベルの技術力をさらに磨くと共に、次の100年も創業の精神を忘れることなく挑戦し続け、世界中のお客様に信頼される企業として成長し続けます。今後とも皆様のご指導、ご鞭撻をどうぞよろしくお願い申しあげます。

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