年頭所感 アキレス 伊藤守社長

2018年01月10日

ゴムタイムス社

 新年明けましておめでとうございます。

 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 昨年を振り返りますと世界情勢では、米国トランプ政権が本格的に始動しアメリカ第一主義を掲げ、欧州では各地で極右政党が台頭するなど保護主義の広がりが見られ、政治的不安定さを増す状況が続きました。一方、GDP世界第2位の中国では、習近平国家主席が二期目を迎え「習1強」体制が鮮明となり、中国と欧州を結ぶ巨大な広域経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議が北京で開催される等、大国主義が一段と加速しました。また、各地で依然続くテロ事件、我が国を脅かした北朝鮮の挑発行動、年末には中東和平の根幹を揺るがすトランプ米大統領のエルサレム首都認定発表等、大きく揺れ動いた一年でありました。我が国においては、都議会議員選挙での小池知事が率いる都民ファーストの会の圧勝、国会では第4次安倍内閣が発足し、基本方針に4本の柱が掲げられました。環境面では、地球温暖化などの影響と思われる自然災害が多発し、中国・九州地方での豪雨災害や度重なる台風により各地に甚大な被害をもたらしました。国内同様に、世界各地からも水害や火山噴火、地震といった天変地異のニュースが流れ、自然の脅威と世界中が温暖化・異常気象であることを痛切に感じた年でもありました。
我が国経済は、景気動向指数が57ヵ月続いた「いざなぎ景気」を超え、実質GDPは連続のプラス成長となり、輸出においては、米国や中国を中心としたアジア向けや低迷が続いた欧州向けも持ち直しが見られ、輸出の増加や在庫調整の進展を背景に回復基調が持続しております。また、設備投資では企業の良好な収益環境が続き、建設投資や製造業を中心とした研究開発投資の増加を背景に輸出の増加基調が続く見込みであり、個人消費も株価の上昇に伴う消費者マインドの改善等、地政学要因による下振れリスクはあるものの、底堅い内外需を背景に景気回復が期待されます。

 このような経済情勢の中、産業に目を向けますと、昨年はビッグデータ元年としてスタートを切り、第4次産業革命としてIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、ロボット産業における技術革新は、想像を遙かに超えるスピードで進歩し、産業界の勢力図を塗り替え始めました。一方、大手企業によるデータ改ざんや品質管理の不正等、これまで世界をリードするまでになった日本の製造業の「ものづくり」の信頼性を大きく揺るがす不祥事が相次いだ年でもありました。

 当社における昨年の事業環境としましては部門により異なりますが、厳しい状況が続いており順風満帆な事業は多くありません。しかしながら、厳しい状況にあるからこそこれを真摯に受け止め、この逆風の時こそ成長の機会があると信じ、感度を高め、お客様の声を丁寧に拾い上げ、スピードを持って事業改革に取り組んで参りたいと考えます。同時に企業における不祥事が後を絶ちませんが、自社の成長戦略や経営改革の一環として、コーポレートガバナンス・コードに対応した経営をより強靱なものにしていくかが今後も問われていくものであり、緊張感を持って取り組んで参りたいと考えます。

 メーカーとしての基本である新商品開発、品質改善、コストダウン、新規得意先開拓、業務の効率化等々、まだまだやるべき事は山積しています。そのためにも当社グループは、原点回帰し、「社会との共生」=「顧客起点」の企業理念のもと、お客様が求める真の満足と感動をいただける製品の創造とサービスの提供を通して、豊かな社会の実現にこれからも貢献して参ります。

 皆様方のご厚情にお応えするためにも、新年を迎えるにあたり「ブランド力の強化」「人材育成」「グローバル化の推進」「スピード」をキーワードとして、持続的な成長と企業価値の増大を目指して参ります。そして、グローバルな視点で見た優位性を活かすと共に、独自技術を発揮した製品開発に注力し、社会から求められる企業集団として最善の努力をして参ります。変化する世界経済、そして当社を取り巻く経営環境も速く大きく変化する中で、既存の価値観に捉われず「革新」を起こし、お客様の立場に立った「ものづくり」「サービスづくり」を通じ、魅力ある製品・サービスをご提供させていただきたいと思います。

 引続き、当社製品への変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げますと共に、新年にあたり、皆様のご多幸とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。

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