川口化学決算 12~8月期 利益が黒字に転換

2017年10月05日

ゴムタイムス社

 川口化学工業の2017年11月期第3四半期連結決算は、売上高が51億1200万円で前年同期比10・9%増、営業利益は1億9400万円(前年同期は2600万円の損失)、経常利益は1億8800万円(同3800万円の損失)、四半期純利益は1億3500万円(同7600万円の損失)となった。

 化学工業薬品事業の売上高は50億8500万円で同10・5%増、セグメント利益は1億7300万円(同3100万円の損失)。不動産賃貸事業の売上高は2600万円で同341・2%増、セグメント利益は2100万円で同327・2%増となった。

 化学工業薬品事業のうち、ゴム薬品の分野は、国内では第3四半期も国内自動車販売や生産が前年同期と比べて増加傾向で推移した。このような環境の中、ゴム製品の顧客の需要増に対応するとともに、加硫促進剤や加硫剤の主力商品の拡販活動に注力した結果、工業用製品・タイヤ向け、合成ゴム向け薬品について、前年同期を上回る売上となった。

 輸出については、東南アジアの顧客に回復鈍化の傾向が見られ、第3四半期は為替がやや円高になったが、この地域の需要の拡大に対し拡販努力を行った結果、前年同期を上回った。

 この結果、国内・輸出合わせての有機ゴム薬品の売上は31億7600万円で同11・9%増となった。

 樹脂薬品の分野は、国内ではアクリル酸・アクリル酸エステルの生産が堅調で推移し、前年同期と比べ増加傾向となった。同社の主要製品では、輸入品との競合が引き続き継続したが、積極的に販売活動を行った結果、主要品目で販売数量を伸ばしたことから、国内の販売数量売上は前年同期を上回った。

 輸出については、中国をはじめとする既存顧客が回復傾向となったことや、為替が円安で推移したことから積極的に拡販活動を行ったが、主要品目は市場での競争がより激しくなり、品目により販売数量・売上で増減があった。

 以上の結果、樹脂薬品部門合計の売上は5億8300万円で同6・2%増となった。

 中間体部門では、界面活性剤中間体は品目により増減があったが、需要が全体で低調で推移し、売上が前年同期を下回った。染顔料中間体と農薬中間体は主要品目で顧客の需要変動に合わせ積極的な生産販売を行った結果、全体として前期同期比で売上が増加した。

 医薬中間体・機能性化学品は、海外向けで顧客の生産減少と他社との競合により売上減となった。しかし、国内では主要品目の拡販に注力し、新規顧客を獲得したことから売上が増加し、全体では売上が前年同期を上回った。

 これらの結果、中間体部門合計の売上は5億7300万円で同14・8%増となった。

 その他の環境用薬剤は、客先の在庫調整影響と同社納入先での他社との競合により、売上が前年同期を下回った。 潤滑油向けは品目により増減があったが、前年同期並みの売上となった。

 新規用途向けは第3四半期に入っても新規商品の販売が堅調に推移し、既存の主要製品の売上も増加したことから、一部品目で売上減となったものの、全体では売上が前年同期を上回った。

 結果、この部門合計の売上高は7億5200万円で同4・9%増となった。

 通期の連結業績予想は、2回目の上方修正となった7月5日公表の予想からの修正はなく、売上高が69億3000万円で前期比7・7%増、営業利益は2億4000万円で同153・2%増、経常利益は2億3000万円で168・2%増、純利益は1億7000万円で同393・8%増を見込んでいる。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー