ニュースの焦点 冬タイヤ商戦に4社が新製品

2017年07月31日

ゴムタイムス社

 今冬のタイヤ商戦に投入される4社のスタッドレスタイヤ新製品が発表された。いずれも氷上性能の向上に、プラスアルファの性能を付与して独自色を打ち出している。

 日本ミシュランタイヤは、乗用車用「Xアイス3プラス」と商用車用「アジリスXアイス」を発表。乗用車用は「Mチップ」と呼ばれる物質を「表面再生ゴム」の中に配合することで、アイスブレーキ性能を現行品に比べ新品時で4・5%、摩耗時では11・5%向上した。

 日本グッドイヤーの「アイスナビ7」は、新しいパターンデザインと極小シリカのコンパウンドを採用した。これににより、現行品に比べ氷上ブレーキ性能を7%向上させるとともに、地域や気温などで変化する雪質への対応を可能にした。

 横浜ゴムの「アイスガード6」は、基本コンセプトである「氷に効く」「永く効く」「燃費に効く」に、第4のベネフィットとしてウェット性能を新たに追加した。従来品に比べ氷上制動性能を15%、ウェット制動性能を5%向上している。

 ブリヂストンの「ブリザックVRX2」は、新開発の「アクティブ発泡ゴム2」と「非対称パタン」などを採用。VRXに比べ氷上ブレーキ性能を10%短縮、摩耗ライフを22%向上、騒音エネルギーを31%低減して静粛性を向上させ、氷雪上性能と一般路性能を高い次元でバランスさせた。

 これらのタイヤを氷上で試乗したところ、まるで夏タイヤでドライ路面を走行しているようで、これ以上やることがあるのかと思われたが、ある開発責任者によると「開発の余地は十分あり、いろいろな可能性がある」のだという。冬道でのさらなる安全運転へ、各社の取り組みに期待したい。

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