盛況だった「人とくるまの技術展」

2011年06月06日

ゴムタイムス社

5月18―20日、神奈川のパシフィコ横浜で、日本最大の自動車技術展 人とクルマのテクノロジー展 が開かれた。自動車メーカーをはじめ、部品メーカー、材料メーカー、計測・解析機器メーカーらが最 新自動車技術を展示する同展は、大震災で出展辞退企業もあったが、出展者は370社と昨年を5社上回り、環境関連技術が中心に。平行してEV技術の国際会 議 EVテック会議を開催。会議は、三菱自動車の益子修社長、本田 技術研究所の川鍋智彦社長、トヨタの内山田竹志副社長、米ミシガン大のフェイ・ペン教授、日産の篠 原稔常務が登壇、セッション発表した。
出展各社の内訳は以下
アロン化成
高熱伝動の熱可塑性エラストマー「グレイザードAR」を初発表した。大阪市立工業研究所と共同開 発した同TPEは、ノンシロキサン、厚み方向での高熱伝動率、高絶縁性、低~高硬度まで幅広い品揃え、高い制振性、UL―94 V―0相当の難燃性を兼備。応用は、熱可塑性樹脂成形による自由な製品 設計として複雑な形の製品、自由な厚み設計、低コスト化実現など。複合成形が可能でヒートシンクら との一体成形、多層熱伝導シートに好適。製品はペレット、ロールシート、カットシートで提供可能。
内山工業
コルク栓製造から出発した同社は、キー事業の「密封と絶縁」をテーマにガスケット・シール材、食 品用包装資材、建材・断熱材の新作・主要製品を訴求した。
高分子計器
定速制御モータを搭載したCLE150シリーズを展示。同シリーズは毎秒0・1~19・9mmまで 任意に降下速度が設定可能で、JIS K 6253―2006に準拠した定速・定圧の硬さ測定が可能 。
各種ゴム・樹脂製品硬度計、自動ゴム硬度を併せて展示、小間内で実機によるサンプル測定、硬度測 定に関する質問にも対応した。
鷺宮製作所
試験目的に応じ、ハードとソフトを最適化し融合した試験システム、サギノミヤダイナミックサーボ6軸ロードシミュレータを会場入口ブースの正面に展示。
実際のドライバーが、TVモニターを見ながら仮想テストドライブを行うと、補器類付のエンジンが 操作に連動して6軸方向に動く、独自のダイナミックサーボHILS「仮想実車シュミレータ」が関心 を集めた。
島津製作所
総合分析試験装置メーカーとして自動車の安全性、信頼性向上に係わる開発・技術に与する評価装置 ・検査機器、試験装置の分析・試験を提案。 新製品では、スタンドアロン機のあり方を徹底追及した 、卓上万能試験機「オートグラフAGS―Xシリーズ」、ビデオ式非接触伸び計「TRビューX」を訴求した。
新オートグラフは作業性や安全対策を向上、手元コントロールを大幅に改良、微調整も自在という。
東海ゴム工業
4つのテーマ=自動車用防振・ホース・放熱性ウレタン・熱線反射フィルムを出品。防振・ホースは 材料転換による〈軽量化〉した開発品を、フィルムは新製品の高透明熱線反射フィルム「リフ レシャイン」をそれぞれ新登場させた。
放熱製品では、磁気誘導発泡法を導入することで、軽量・低コストを実現した放熱材「MIF」を発 表。高熱下のエンジン室内のトランスなどの放熱用途を提案した。
東レ・デュポン
自動車エンジン周りにおける耐熱要求の高まりを受けて、高機能熱可塑性エラストマー「ハイトレル 」に新規耐熱・難燃グレードと、2色成形用途に好適な新グレードを開発、出展した。新グレードは、140~150℃の高温下で長期間、耐熱性と難燃性を保 持。
リケンテクノス
「軽量化・リサイクル・意匠性」をキー技術と捉え、外装押出部品、内装INJ部品に意匠性を付与 できる内装・外装フィルムや加硫ゴム代替、軽量化を実現可能なシール部品を出品した。
ゴム代替や加飾用途では、シール機能材としてPP芯材+アクティマーG柔軟グレードを、軽量・高 絶縁・色彩性に優れる材料としてグロメット用TPE、自動車内装樹脂部品の表面加飾シート、外装光 輝調モールフィルムを訴求、展示。

東海ゴムの新放熱材性能比較

高分子計器

島津製作所

耐熱比較図(東レ・デュポン)

サギノミヤの実演光景

リケンの光基調モール

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