日本ゼオンの17年3月期 純利益が過去最高に

2017年05月01日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは4月28日、東京・丸の内の本社で決算説明会を開催し、古谷岳夫執行役員が2017年3月期連結決算の説明を行った。

 売上高は2876億2400万円で前期比2・7%減、営業利益は307億6700万円で同3・1%増、経常利益は318億500万円で同1・1%減、当期純利益は231億5200万円で同28・1%増。古谷執行役員によると、当期純利益は過去最高となった。

 売上高は、金額では前期に比べ約80億円の減収。数量要因で約80億円のプラスとなったものの、価格要因の約66億円のマイナス、為替要因の約94億円のマイナスが響いた。

 数量要因については、エラストマー素材事業はタイヤ向け国内汎用ゴムと、米国子会社の特殊ゴムなどが減少したためマイナス。高機能材料事業は電池材料やテレビ向け大型フィルムなどが好調だったことから大幅にプラスとなり、全体としてプラスとなった。

 価格要因では、エラストマー素材・高機能材料ともに減少し、全体としてもマイナスだった。エラストマー素材は熱可塑性エラストマーや石油樹脂などの海外市況の軟化が主な要因で、高機能材料は電池材料や中小型向け光学フィルムなどが振るわなかった。

 営業利益に関しては、金額では数量要因で約51億円のプラス、原価要因で約106億円のプラス、価格要因で約66円のマイナス、本社費等で約12億円のプラス、為替要因で約94億円のプラスとなった結果、前期に比べ約9億円の増益となった。

 原価の増益要因のうち約8割がエラストマーで、原料のブタジエン価格が期末に向けて上昇したものの、安価な在庫がプラスに働いた。本社費等のうち約9億円は研究開発活動によるもの。

 セグメント別では、エラストマー素材事業は売上高が1662億4300万円で前期比7・1%減、営業利益は205億5200万円で同0・8%減の減収減益だった。

 このうち、ゴムについては、売上高が約1162億円で同約5%減。販売数量は30万8000tで同4%の減量。内訳はタイヤ向けの汎用が同2%減、特殊用途で同6%減だった。

 汎用の国内は、

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