川口化学の12~2月期 利益が黒字転換 通期の利益予想を上方修正

2017年04月05日

ゴムタイムス社

 川口化学工業の2017年11月期第1四半期連結決算は、売上高が16億7300万円で前年同期比16・8%増、営業利益は8500万円(前年同期は2500万円の損失)、経常利益は8400万円(前年同期は3000万円の損失)、四半期純利益は5900万円(前年同期は2800万円の損失)となった。

 セグメントの業績の概況は、化学工業薬品事業の売上高が16億6400万円で同16・3%増、セグメント利益は7800万円(前年同期は2600万円の損失)。不動産賃貸事業売上高は800万円で同328・6%増、セグメント利益は700万円で同323・2%増となった。

 ゴム薬品分野は、国内は昨年後半以降、自動車販売や生産の回復傾向が見られた。第1四半期に入っても工業用品の生産活動で前年同期比で増加傾向となった。このような環境の中、市場の回復による需要増に積極的に対応するとともに、販売活動に注力した結果、工業用製品向けとタイヤ向け薬品は、数量・金額ともに前年同期を上回った。

 合成ゴム向け薬品は前年同期比で減少となったが、国内ゴム薬品全体では、数量・売上ともに前年同期比で増加した。輸出については、東南アジアの顧客で回復傾向が見られたことと、同第1四半期は円安が継続したことから、主力商品を中心に、この地域の受注の拡大により一層努力した結果、前年同期比で販売数量を伸ばした。

 こうしたことから、国内・輸出を合わせた有機ゴム薬品の売上は、10億5400万円で同14・2%増となった。

 樹脂薬品分野は、国内ではアクリル酸・アクリル酸エステルの生産が回復傾向となったが、主要製品で輸入品との競合が継続した。これに対し、積極的に販売活動を行い、主要品目で販売数量を伸ばしたことから、国内の売上は前年同期比で数量・金額ともに増加した。

 輸出については、円安に転じたことから新規顧客の開拓、既存顧客との交渉を積極的に行ったが、中国をはじめとする既存顧客の稼働が低調で推移するとともに、他国企業との競合が一層激しくなり、売上が減少した。

 これらの結果、販売数量を伸ばした品目もあったが、樹脂薬品部門合計の売上は1億9100万円で同10・8%増となった。

 中間体部門では、界面活性剤中間体は品目により増減があったが、前期並みの売上となった。染顔料中間体と農薬中間体は、染顔料中間体は前年並みだったが、農薬中間体の主要品目は顧客の販売増により、全体として前期同期比で売上が増加した。医薬中間体・機能性化学品は、主要品目で拡販に注力し、新規受注獲得もあり、前年同期比で売上が増加した。

 これにより、中間体部門合計の売上は1億85万円で、同41・6%増となった。

 その他の環境用薬剤は、客先の在庫調整影響と納入先での他社との競合により、売上が減少。潤滑油向けは、海外向けについて販売が低調であったことから、前期同期比で売上が減少した。

 新規用途向けは、新規商品の販売が堅調に推移し、既存の主要製品の売上も増加したことから、一部品目で売上減となったものの、全体では前年同期比で売上を伸ばした。

 以上の結果、その他の環境用薬剤合計の売上高は、2億3300万円で同14・4%増となった。

 通期の連結業績予想は、当初予想から売上高以外は上方修正を行い、売上高が67億6000万円で前期比5・1%増、営業利益は1億7000万円(当初予想比2000万円増)で同79・3%増、経常利益は1億7000万円(同)で同98・2%増、純利益は1億2000万円(同1000万円増)で同248・6%増を見込んでいる。

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