NOK 回転用低トルクシールリング2種を開発

2017年03月21日

ゴムタイムス社

 NOKは3月21日、自動車用自動変速機(AT/CVT)に使用される回転用低トルクシールリング、「TS―リング」「CT―リング」の2種類を開発したと発表した。

 TS―リングとCT―リングは、それぞれ動圧作用や外周面しゅう動により低トルク化を実現しており、これらの技術は、いずれも世界初である。

 シールリングのしゅう動(潤滑)環境は、混合潤滑域であることが一般的。TS―リングでは、しゅう動面にテクスチャー(シール媒体である油を供給する形状)を付与し、相手面の粗さを管理することで、流体潤滑域でのしゅう動を実現した。流体(油膜)が相手しゅう動面との間に形成されることで動圧が発生し、摩擦係数が低減する。

 また、シールリングのしゅう動面は、側面であることが一般的であるが、しゅう動面が側面の場合、シール性を維持するためには「はみ出し隙間」(相手面の寸法)以上の「受圧面積」が必要となる。これに対しCT―リングは、断面形状を凸字断面にすることで、しゅう動面が外周面となるため、はみ出し隙間の大小に左右されずに押し付け荷重を低減することができる。

 しゅう動面を外周面に変更したことで、従来品に比べ横方向のスペースを縮小できるようにもなり、シールリングを使用するAT/CVTの、レイアウト設計の自由度が向上。また、溝側面としゅう動しないため、軟質軸への適用も期待される。

 自動車の燃費向上のため、回転用シールリングに対する低トルク化のニーズが高まるなか、同社はTS―リング、CT―リングの受注拡大を目指していく。

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