住友ゴムの1~12月期 円高響き減収減益 スポーツ・産業品他は大幅増益

2017年02月16日

ゴムタイムス社

 今期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用した住友ゴム工業の2016年12月期連結決算は、売上高が7566億9600万円で前期比5・2%減、営業利益は732億8400万円で同17・8%減、税引前利益は700億9300万円で同21・2%減、当期純利益は413億6400万円で同42・5%減となった。

 タイヤ事業の売上収益は、6484億4500万円で同5・0%減、事業利益は679億2400万円で同8・2%減となった。

 国内市販用タイヤは、夏タイヤではダンロップ・ブランドの低燃費タイヤ「エナセーブ」シリーズ、特殊吸音スポンジ「サイレントコア」を搭載した低燃費タイヤ「ル・マン4」などの拡販を推進した。

 またファルケン・ブランドでは「レッドブル・エアーレース・千葉2016」に協賛するなど、ブランドの認知拡大に努めるとともに、プレミアム商品「アゼニスFK453」などの高性能タイヤの拡販を推進した。

 冬タイヤでは、ダンロップ史上ナンバーワンの氷上性能を実現したスタッドレスタイヤ「ウインターマックス02」を全国的に早期展開したほか、11月の首都圏を含む東日本の降雪影響もあって出荷が好調に推移したため、売上収益は前期を上回った。

 国内新車用タイヤは、引き続き低燃費タイヤを中心とする高付加価値タイヤの納入拡大に努めたが、自動車生産台数が前期を下回ったため、売上収益は前期を下回った。

 海外市販用タイヤは、北米・欧州をはじめ中近東、アフリカ、中南米などで販売を伸ばしたが、円高の影響により、売上収益は前期を下回った。

 海外新車用タイヤはタイや南アフリカに加えて、昨年から納入を開始したブラジルで販売を伸ばした。北米・欧州でも引き続き海外自動車メーカー向けを中心に納入を拡大したことにより、販売数量は前期を上回ったが、円高の影響で売上収益は前期を下回った。

 この結果、タイヤ事業の売上収益は前期を下回った。

 スポーツ事業の売上収益は727億7200万円で同6・4%減、事業利益は43億300万円で同63・3%増となった。

 国内ゴルフ用品市場では、ゴルフ場入場者数が前期を下回る中、主力のゴルフクラブ「ゼクシオ・ナイン」は順調に販売を伸ばし、ゴルフクラブとゴルフボールでシェア・ナンバーワンを確保したが、ゴルフウェアではデサント社とのライセンスビジネスに切り替えたため減収となったことなどにより、国内ゴルフ用品全体としては、売上収益は前期を下回った。

 国内のテニス用品市場では、テニスラケットでシェア・ナンバーワンを確保したが、テニス用品市場は伸び悩み、売上収益は前期を下回った。

 海外のゴルフ用品市場では、グローバルに「スリクソン」「ゼクシオ」「クリーブランドゴルフ」のブランドで積極的に拡販に努めたが、円高の影響により売上収益は前期を下回った。

 以上の結果、スポーツ事業の売上収益は前期を下回ったが、円高による仕入コストの減少などにより、事業利益は増益となった。

 産業品他事業の売上収益は354億7900万円で同7・8%減、事業利益は26億7300万円で同26・7%増となった。

 制振事業では住宅用制震ユニット「ミライエ」の販売が好調に推移し、年間目標である6千棟の販売を達成した。熊本地震の際には「ミライエ」装着住宅は1棟も倒壊せず、ユーザーから高い評価を受けた。

 医療用ゴム部品については、スイスのロンストロフ社を核として欧州中心にグローバル展開を進めた。一方で、プリンター・コピー機用精密ゴム部品では、プリンター・コピー機の市況悪化の影響で減産となったことに加え、為替の影響もあり減収となった。

 体育施設や土木海洋といったインフラ系商材も、物件の遅れなどにより低調に推移した。

 これにより、産業品他事業の売上収益は前期を下回ったが、経費の抑制などにより増益となった。

 17年12月期の連結業績予想については、売上高が8500億円で同12・3%増、営業利益は500億円で同31・8%減、税引前利益は486億円で同30・7%減、当期純利益は330億円で同20・2%減を見込んでいる。

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