ニッタ 「スマートフィルター」で空調フィルタの寿命を予測

2016年12月13日

ゴムタイムス社

 ニッタは12月12日、エアフィルタの寿命予測が可能となる「ワイヤレス差圧センサ」を内蔵した「スマートフィルター」を開発し、サンプル供給を開始すると発表した。

 同社では、半導体、医薬品など高い空気清浄度を求められる生産工場の産業空調設備や、ビル・大規模商業施設などの一般空調設備向けのエアフィルタを製造・販売している。

 エアフィルタは使用時間の経過により、捕集した塵埃によって目詰まりが生じ、圧力損失値(以下「差圧」)が増加する。この差圧が許容値を超えると、エアフィルタの破損や風量の低下などを招くため、交換が必要となる。

 従来、この差圧はエアフィルタユニットに組み込んだ「差圧計」によってモニターしていた。しかし、使用されるフィルタの種類や風速により差圧の変化挙動が異なるため、それぞれのエアフィルタの性能特性と照合しなければ寿命予測を行うことができなかった。

 そこで同社は、エアフィルタにセンサを内蔵させた「スマートフィルター」を開発。センサで測定した差圧データ等を発信し、新たに開発したスマートフォンのアプリケーションソフトで受信することで、簡易に寿命診断を行うことが可能となった。

 また、このデータを同社が提供するクラウドサーバーにアップロードすることで、経時的に使用状況を管理することもできる。

 発信するデータは、フィルタユニットから10m前後の範囲で受信可能で、Wi-Fiのネットワークを構築することで施設内に点在するエアフィルタを効率的に管理することも可能となる。

 IoTによる管理が進む中、同社では、この「スマートフィルター」を活用してもらうことで、空調設備の省エネや空気環境の予知保全に貢献していきたいとしている。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー