【再生ゴム特集】東洋ゴムチップ 「歩行者用ゴムパネル」が好調

2016年12月11日

ゴムタイムス社

 ゴム工業資源の有効活用事業を展開する (株)東洋ゴムチップ(群馬県前橋市、桑原厚二社長)が製造、販売する「歩行者用ゴムパネル」(OMNI)の需要が増大、同社群馬工場ではフル生産が続いている。
この「歩行者用ゴムパネル」は鉄道での線間社員通路用パネルとして使用されるもので、JR貨物主導の下に同社の独自技術により開発された鉄道保線用「線路横断通路用マット」の新商品で、従来のオムニ踏切ゴムパネルに比べ大幅な軽量化が図られているのが最大の特徴。
軽量化については従来製品の重量(長さ930mmサイズ)が90㎏であったのに対し、この「歩行者用ゴムパネル」はその半分の45㎏に軽減されており、このためパネルを専用締結部品で枕木に締結するだけで敷設時の重機も不要となり、設置の大幅な簡便化が図られた。また、横断時の歩行感、透水性に優れ、耐久性が高められている。標準サイズは長さ930mm×幅533mm×厚さ210mm。大型タイヤのトレッド部のタイヤリサイクル品で生産。
JR及び私鉄の各駅舎での採用が高まっており、この「歩行者用ゴムパネル」の販売は前年比1・5倍と好調に推移している。
東洋ゴムチップは2015年12月1日付で資源リサイクル事業を行うエンビプロホールディングス社のグループ企業となり、弾性舗装材(カラーゴムチップ/EPDM)、人工芝(黒)、一般成形品(黒)の製造・販売を行っている。売上高構成比は弾性舗装材6割、人工芝2割、一般成形品2割。

歩行者用ゴムパネル

歩行者用ゴムパネル

 中計3ヶ年計画の初年度となる新生東洋ゴムチップの2017年6月期の第1四半期業績はこれまで堅調だった人工芝の施工が若干遅れているものの、弾性舗装材が堅調でほぼ計画通りで推移しており、通期でもこの秋口から人工芝需要が活発化していることから当初計画の売上高14億3000万円、経常利益8600万円の増収増益を目指す。
同社では幼稚園や公園の遊具周りなど安全対策としての導入が増えている主力の弾性舗装材については、「弾性舗装材市場でトップとなる」をビジョンとして積極的な市場拡大に取り組んでいる。このため社内間の情報の共有化を図るとともに、老朽化設備の生産工程の見直しを進めており、即納体制を強化する方針。また、委託再生ゴムの製品開発に積極的に取り組み、リサイクルをキーワードとする顧客満足度の一層の向上を図る。

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