昭和HDの4~9月期 営業利益が2・2倍に伸長

2016年11月15日

ゴムタイムス社

 昭和ホールディングスの2017年3月期第2四半期連結決算は、売上高が62億3168万6000円で前年同期比4・0%増、営業利益は16億4119万5000円で同121・8%増、経常利益は17億341万3000円で同45・4%増、四半期純利益は2億6776万7000円で同869・2%増となった。

 Digital Finance事業の同第2四半期連結累計期間における業績は、増収増益となり、特に利益で92・3%増を果たした。同事業は現在までに8四半期連続で過去最高益を記録している。

 同事業は前連結会計年度より、従来の「ファイナンス事業」から「Digital Finance事業」へとセグメント名称の変更をしている。カンボジアで同社グループが独自に開発したITプラットフォームと、全土にPOSを張り巡らせた販売ネットワークを構築。この新しい独自のFintechを中心としたDigital Financeの展開によって①少ない投資額②速い国際的展開③都市部ではなく地方で圧倒的な展開力を持つ―などの競争力を生み出している。

 カンボジアとラオスでは2012年から中長期的な投資的費用の投下を継続した結果、現在では利益が急速に増加する段階となっている。今期のラオスでの売上は前年同期比10倍へと急増した。タイでも従来事業の利益が伸長し、新規事業である動産担保貸付は、売上を昨年同期比3・9倍にまで伸ばした。世界第4位の人口を持つ巨大市場インドネシアでの操業も順調に開始し、操業の初四半期に当たる今期に黒字化を果たした。

 これらの結果、売上高は43億3844万9000円で同4・9%増、セグメント利益は17億9957万5000円で同92・3%増となった。

 スポーツ事業は増収減益となった。ソフトテニスボール「アカエム」では前年同様、厳しい商況になることが予測された中、歴史あるアカエムの品質と販売促進活動を強化することで、適正利益を確保することに尽力。また、ルーセントブランドウェア類の販売では、プロモーター事業としてスポーツコミュニティーを元気にすることを使命とし活動を続けてきたことで、着実に成果を見せつつある。

 テニスクラブ再生運営事業でも、新たに1店舗増加して、わずか3ヵ月で黒字化を果たした。工事部門も大きく売り上げを伸ばしている。一方で、今後の事業拡大に必要である投資的費用として、人材の採用を増加したこともあり、期間損益では少額ながら減益となった。

 この結果、売上高は7億9470万7000円で同10・7%増となり、セグメント利益は1億3598万2000円で同2・3%減となった。

 コンテンツ事業は増収増益となった。国内事業の強化とアジア事業の開始など、中長期的な成長に向けての投資的活動を強化したことなどによるもの。同事業は、主にトレーディングカードゲーム制作や、エンターテインメント関連の書籍・電子書籍の制作、音楽・関連商品の製作を行っており、様々なコンテンツを商品・イベント化する企画制作・編集・制作に独自性を持ち展開している。

 すでにアジア事業の活動がタイ、インドネシア、ベトナム、モンゴルで開始されており、今後とも投資的費用の投下を進めつつ、中長期的成長を追求する施策を続けていく。売上高については、カードゲームのロイヤリティ収入が増加するなど堅調に推移した。これらの結果、売上高は2億4918万2000円で同6・2%増、セグメント利益は3759万円で同18・2%増となった。

 ゴム事業は減収増益。従来の日本・マレーシアに加え、昨年にはインドネシアにゴム子会社を設立。昨年4月にはタイで事業買収を行い、昨年末にはベトナムでゴム子会社を設立し、アジア展開を拡大した。

 国内ではプラントでのゴムライニング防食施工の受注が増加し、ベトナムで現地工事を成功させ好調。また、各種産業設備機器の部品供給では、主要製品である工業用ガスケッ、海外需要による大型ダイヤフラムの継続受注などにより、昨年実績を上回る結果となった。

 しかし、一般消費者向け商材・食品医療用品に関しては、主力製品の生産縮小から売上が低下し、これを補う新商材の収益貢献には至らなかった。利益面では比較的粗利の高い商材の受注が好調であったことに加え、事業効率の向上に向けた取り組みが奏功し、増益となった。

 この結果、売上高は8億540万3000円で同1・3%減となり、セグメント損失は3581万3000円(前年同期はセグメント損失4334万4000円)となった。

 通期の連結業績予想については、同社グループが直近で行ったM&Aなどによる収益上ぶれ要因の情報収集・検討が必要な状況で、現時点では適切な予想をすることが困難なことから、業績予想の公表を差し控えるとしている。

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